二十一世紀末、ボクシングは「ギア」と呼ばれる機械の外骨格をまとって戦う競技へと姿を変えていた。無戸籍のまま地下賭博リングで八百長を重ねてきた男「ジャンク・ドッグ」は、王者ユリと出会い、頂点を決める大会メガロニアへの出場を志す。偽の身分と「ジョー」という名を手にした男は、ギアを脱ぎ捨てた拳ひとつで、三か月のうちに底辺から頂点へ駆け上がろうとする。
24分
くすぶる火をたやすな。それが暗い道を照らす灯となる
二度死んだヤツはいない、バクチ打ちはそう嘯いた
絶望の果ての負け惜しみ。機械はハナから息しちゃない
死神と踊るより、あの娘とブギーを踊りたい
あんたはどこから来たんだ?向こう岸だよ、地獄さ
真夏の犬は人を殺したくなる暑さだが、決してへたばりゃしない
三の名がつくあの川を渡るのに、往復の船賃は無用だ
あんたの夢の賞味期限を決めるのは、誰かじゃない
あの花のつぼみは腐臭をまき散らし、種は土にかえる
サイは投げられた。ダブルアップでベットするも良し
辛気臭い讃美歌はよしてくれ。欲しているのはラッパだ
岸辺にアルバムを残したいなら、三の川から引き返せ
肉は朽ちても骨は残る。それが生を受けた証となる