東京で働く27歳のタエコは、休みを取って山形の農家へ紅花摘みの手伝いに向かう。夜行列車に揺られるうち、小学5年生だった1966年の自分が、初めて食べたパイナップルや算数の分数、淡い初恋の記憶とともに、ふいに隣に座りはじめる。有機農業に打ち込む青年トシオと過ごす田舎の日々のなかで、彼女は10歳の自分が今も問いかけてくるものに、ようやく答えようとする。